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残業を終えて自室へ戻ろうとしていたところだった。石造りの廊下に並ぶ扉がスッと開いたかと思ったら、ゆらりと小さな人影が出てきたので身構えてしまったが、よく見たら同僚のロボロらしい。
同じ時期に入隊したはずなのに、ロボロはもう幕僚長だ。いわゆる出世頭。そりゃあ忙しくて忙しくてしょうがないだろうし、帰りが遅くもなるだろう。
事実とても仕事のできる男で、オールマイティで他分野にも強く、育ちも人当たりも良く……非の打ち所がない人間に見える。仕事仲間としては。
変わったところを挙げるとするならば……
『おつかれ、ロボロ。なんかフラフラしてない？』
「え、心配してくれるん！？」
私が好きすぎて狂っているところである。
「わ、ちょっ、ほんま嬉しいわ。今日記念日にする」
『……一応聞くけど何記念？』
「Aちゃんが心配してくれた記念No.34！」
どうしたものだろうか。友達に相談すると「え〜、いいじゃ〜ん」とか「うらやまし〜い」とか。
考えてみてほしい。差し入れとして(というかポケットにあったから適当に)飴玉をあげただけなのに、部屋を尋ねたら私のあげた飴玉の包み紙が丁寧にラベリングされてコレクションされていたのを発見した私の気持ちを。
考えてみてほしい。「体調悪そうやな、あの……言いづらいけど、その……そろそろやろ？俺のでよかったら貸すで」と教えてもいない女の子の日に上着を差し出された私の気持ちを。
考えてみてほしい。『きも』と吐き捨てたら「バカもお願いします」と真顔でお願いされた私の気持ちを。
「ちなみに明日はAちゃんが好きな食べ物教えてくれた記念日やねん！もし暇やったら一緒に食べに行かん？奢るで？」
もう、この人どうしたらいいんだろう。まあご飯は食べたいから行くけど。
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元青磁(プロフ) - 森。さん» ﾜ°……！？あばばばばありがとうございます(；▽；) (4月18日 20時) (
レス) id: d3f69151ea (このIDを非表示/違反報告)
森。(プロフ) - この甘すぎずさっぱりしすぎずの距離感好きです！！！ (4月18日 17時) (レス) @page20 id: 21990a494b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：元青磁 | 作成日時：2024年4月9日 4時
