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目を覚ました時、これは夢かと疑った。今さっきまで見ていた夢の方があまりにリアルだったから。
匂いも、口調も、笑った顔も、全部完璧にあいつだった。俺の名前を呼ぶ声は懐かしくなるほどAだった。
俺に都合の良いAは、何もかも許してくれた。恥ずかしくなるとついからかってしまう俺に笑ってくれて、好きだと甘く囁いてくれて、触っても拒否しなかった。
だからいつもみたいに肩を組んだ延長線で手を繋いでみたら、嬉しそうに笑うから調子に乗ってしまった。
抱きしめたAの感覚は、他と打って変わって曖昧だった。背中に手を回された手は霧みたいに不鮮明で、なんとなく“暖かくて柔らかい”と認識するだけ。
口に触れた感触も幻みたいで。ただ『もっと』ってねだる声は嫌に覚えてる。
俺、Aを抱きしめた事も、ましてやキスなんてした事あらへんもん。夢じゃ再現できんよな。
でも額に触れた手のひらは本物やった。近寄った時の俺を見上げる瞳も形の良い唇も全部本物。
あのまま身体が触れたら、あのまま手を掴んで抱き寄せたら。
走れ、俺。煩悩なんて振り落とせ。
きっとそれが友達でいられる条件だから。
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元青磁(プロフ) - 森。さん» ﾜ°……！？あばばばばありがとうございます(；▽；) (4月18日 20時) (
レス) id: d3f69151ea (このIDを非表示/違反報告)
森。(プロフ) - この甘すぎずさっぱりしすぎずの距離感好きです！！！ (4月18日 17時) (レス) @page20 id: 21990a494b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：元青磁 | 作成日時：2024年4月9日 4時
