【d!】心まで、透明化してよ (ページ16)

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16話ページ16

tn「…前の関係は期待してへんけど」
tn「…少しでも、…また普通に話したい」

tn「…Aとして……な」

眠ったAの頭に触れたら思ったより
地肌がダイレクトに感じた。髪の毛が細く
なってる。いつも黙って書類を出てた裏で

こんなに、ストレスを食ってたんやな

胸のすみを鋭い針がチクチク刺してくる
この痛みは、生涯をかけて俺を
蝕むんやな

tn「…」

すまん、かった。

無能のフリさせて

「…」

───
翌朝

食堂

「ｯ…」

ちる「あれれー？また食べられないの？？」
ちる「もう来なくてもいいんじゃないんですかー？」

「…」

また今日も毒薬入りのスープ
どうしてこんなに彼女は薬を持ってるんだ

喉奥が拒絶反応で苦しい
…でもご飯食べないと倒れてしまう

迷惑かけるのは、これ以上嫌だ

食べなきゃ

tn「…」

ht「…」

───
廊下

「…ｯごほ」

毒入りスープに加え
ゾム様、シャオロン様、そして
鬱様からの攻撃で体がヘロヘロだ

体力ないな、ほんと

tn「…」

─
ついさっき

ht「やっぱりこれも味が変だ」

tn「…え」
os「ふーん」

底に残っていたスープ
ひとらんが言うには、食べるには
刺激が強すぎる、らしい

調味料では再現できない、
毒のようなもの

ht「…躾で、あいつらの誰かが入れてるのかな」
os「そうかもしれへんめぅね」

tn「…これも、って？」

ht「…無能の飯って大体こんな味になってるんだよね」
tn「…」

だから、今まで食えへんかったんか

俺らは無知やった
無知やから、Aを無能として
バカにして侮辱して、

酷いことをしてきた

けど
飯を食えなくなったのは
毒を入れられていたから

仕事量が少なかったのは、
書き換えていたから

…

無能になった事にも、正当性が
あるのならあいつらは…俺らは、

…

あかん、今はんなこと考えたらあかん
Aに飯を食わせないと

os「どこいくん」
tn「…まぁ、」

os「…」

───
tn

Aは無能ではないと気づいた

彼らとAの板挟みになる

《あのころ》以前は、Aの
ことを心配してたし好きだった