【d!】心まで、透明化してよ (ページ37)

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37話ページ37

訓練所内・休憩所

sn「君たちは、どうしてこんなに怪我したの？」

A直属の部活達が虫の息で
俺を呼んだらしい。到着するころには
何人かは気を失っていたし、できた傷は

死ぬことを厭わないものばかり
もしかして敵が、！

？「…コネシマ様の精兵にやられました」
sn「あ、…え？なんで？」

コネシマとAならわかる。がしかし、
なぜ君たちと彼らがやり合う必要があるのか

1人の兵士が、仲間とアイコンタクトを
したあと俺に向かって懇願する口振りで

Aを助けるためだ

と話し出した

？「A様は、何かしらの事情で今現在
不当な扱いを受けています」
？「…特にコネシマ様、鬱様、ちる様は激しく」
？「兵士ですらA様を…」

？「…私たちは、彼女への侮辱を許せません」

？「ですが、コネシマ様の直属には…」

sn「…」

Aは特殊任務
対するコネシマは、

戦場で多くの人間を確実に殺す

訓練の仕方が違うんや。仕方ない

この兵士たちは、俺より権力は無いし
力もない。なのに、彼女を守るために

今までこうしてきたのか

劣等に似た罪悪感が俺の足を登ってきた
もしここが劇場ならスポットライトは

この兵士たちに、当てられる。
俺は真っ暗な闇の中できっと誰も
必要としない塵

？「お願いします、しんぺい神様。
A様を助けてください」
？「彼女は俺らを遠ざけようとしてるけど、
優しいんです！」

？「そうです！訓練は死ぬ覚悟でやるから怖かったけどちゃんと手当してくれるし、」
？「休養設けてくれますし、用事で休ませてくれます！」

？「彼女は、あんな差別に値する人間じゃない！」

？「お願いします！助けてください！」

sn「…」

ごめん
粋な青年たちの願いを、心から
頷けるほど目の前の軍医は綺麗やないんだよ

君たちの思いを受け継いでも何も、
助けられないんや、

ごめん、

何も、助けられなくて、気づけてあげれなくて

ごめん

───
医務室

zm「コネシマとAの兵士が内ゲバしたらしいで」

「…うちの兵士たちに《余計なこと》はするなと
叱っておいてください」

zm「…」

Aは興味無さそうに窓の奥で飛び回る
2羽の白い小鳥を見つめている。俺のことなんて
見やしない

…

zm「……A、」
zm「…俺は、…死んだ方が、ええ？」