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分からなくて良いと、俺も言ったし、俺の事を好きにさせるから問題ないとも本気で思っていた。若い時は、何をするにも湧いてくる無限の自信でAさんと、正面からぶつかって来た。愛し合っていたと思っていたのは、俺だけだったのだろうか。
「 勿論。ちゃんと、好きだったよ。 」
言葉に引っ掛かってしまう細かい自分にも嫌気が差した。相手は別れるつもりなのだから、此処でごねたって意味がない。大人しく、身を引くのが大人の恋愛なのだろう。そう考えると、俺は大学生気分のままで、Aさんと一緒に居たのかもしれない。それが、Aさんからすると、負担になっていたのかもしれない。
「 それなら、良かったです。俺も、Aさんの事が世界で1番好きです。本当に、他の誰も見えませんでした。それは、忘れないで欲しいし、信じて欲しいです。 」
「 有難う。私も、トントン君と過ごした時間は忘れないよ。こんな私を好きになって、愛して、大切にしてくれて、本当に有難う。幸せでした、とても。 」
この電話を切れば、顔も見ないでお別れが成立する。本当は、しっかりと会って話がしたかったが、今から会うのは無理だ。俺達は、物理的な距離も離れてしまっているのだ。
「 今迄本当に有難う御座いました。お体に気を付けて、お仕事も頑張って下さい。ご飯食べて、健康にも気を遣って下さい。 」
「 トントン君の方が心配だよ。お部屋のお掃除してる？苦手な早起きは克服出来た？ゴミの分別、しっかりね。お布団も偶には洗濯するんだよ。後は、キッチンの手入れだって忘れないで。毎日、自炊が出来なくても、週に1回位は挑戦してみよう。資格の勉強も、無理しない程度に。冷蔵庫の中で、期限切れの食べ物を作らない事。ベランダの掃除もしてね。ボロボロになったバスタオルは、適当な大きさに切ると雑巾になるよ。お酒も程々に、健康第一。健康診断も、サボらない事。 」
次から次へと出て来る、俺への心配事のタネにポロポロと涙が出て来た。俺の生活を良く知っているから、側で見て来たから、1番一緒に過ごして来たから、分かる事。俺の癖も、全て、把握しているんだと思うと、このまま別れるのが勿体無くて、どんどん涙が溢れて来た。どうして、こんな別れが待っていたんだろう。
「 泣いてるの？ 」
心配そうなAさんの声に、更に涙が出て来て止まらなかった。
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紗枝(プロフ) - Sさん» こんばんわ。コメント有難う御座います！此方こそ、応援して下さり、とても嬉しいです☺ 最近、ひとつひとつの作品に掛ける時間が長くなり、更新頻度は絶望的になりましたが、頑張って更新したいと思います。これからも宜しくお願い致します🤝 (7月20日 2時) (
レス) id: ed8861063f (このIDを非表示/違反報告)
S - 続編ありがとうございます🙇♀️これからも応援してます (7月19日 7時) (レス) id: 3cdb4a4830 (このIDを非表示/違反報告)
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