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「 言い方は悪いけど、頭の悪い人はヘンゼルとグレーテルが好きな割合、高いと思うよ。それこそ、目先の幸せにしか興味がないから。 」
随分と乱暴な言葉だと思ったが、機嫌が悪いだけだと思っていた。そして、コネシマがヘンゼルとグレーテルを好きだと思った理由は、結局、頭が悪いからと言う事なのだろうか。
それにしても、今日のAは攻撃的だなとしか、当時のコネシマは思っていなかった。そんなAの異変に気付いたのは、コネシマの描いた絵本をビリビリに破いて、ゴミ箱に捨てているのを見てしまった時だ。
「 ……おもんなかった？ 」
Aは驚く素振りも見せず、コネシマが居る事を最初から分かっていた様子で、コネシマの方をゆっくりと向く。瞳のハイライトが綺麗に消えていて、人形の様だった。
「 俺の描いた絵本、おもんなかった？ 」
「 絵本はそもそも子供向けだから、高校生が読む物じゃないし、私が面白くないって思うのは、極自然な事だと思うけど。あくまで私の好みで判断してる訳だから、そんな悲しそうな顔をされても困る。 」
想像以上に早口で捲し立てられ、コネシマは自分のメンタルの弱さに気付いていたが故に、涙腺が緩むのを必死に堪えた。だが、Aは落ち着かない様子で、次から次へとコネシマに酷い事を言うのだ。
「 そもそも、どうして絵本作家になんかなろうと思ったの？子供、好きなの？そんなイメージないけど。 」
「 子供は好きじゃないけど、俺が小さい時に絵本を読んで寂しさを紛らわせてたから。両親が共働きだったから、家にひとりの時間が多くて。絵本を読んでいる間は、物語の中に自分も加えて貰った様な気分になるから、寂しくないねん。やから、そんな子供達に届けたいと思って。 」
「 医者になれるレベルの学力があるのに、医者にならないで、成功するかも分からない様な絵本作家目指してるとか、馬鹿だと思うよ。子供は親の言う事だけ、聞いてれば良いんだから。どうして、出来ないの？ 」
「 俺は、絵本作家になりたいだけで、目指してる訳じゃない。医者になるつもりで、勉強してる。大学も医学部に進学する予定やし、絵本作家は憧れなだけやから。それに、Aにそんな事を言われる筋合いは無いし、俺の描いた絵本をビリビリに破られる筋合いもない。 」
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紗枝(プロフ) - Sさん» こんばんわ。コメント有難う御座います！此方こそ、応援して下さり、とても嬉しいです☺ 最近、ひとつひとつの作品に掛ける時間が長くなり、更新頻度は絶望的になりましたが、頑張って更新したいと思います。これからも宜しくお願い致します🤝 (7月20日 2時) (
レス) id: ed8861063f (このIDを非表示/違反報告)
S - 続編ありがとうございます🙇♀️これからも応援してます (7月19日 7時) (レス) id: 3cdb4a4830 (このIDを非表示/違反報告)
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