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「 苦労した事のない薄っぺらい人間の描く絵本なんて、誰が読むの？子供が読む絵本は、大人になったら忘れてる。所詮、使い捨て。 」
「 そんな風に言われる筋合い、ないから。 」
まるで、コネシマが何の努力もせず、苦労もしていない様な言い分に、コネシマはとても腹が立った。コネシマだって、涙で枕を濡らす夜はあったし、明日が来なければ良いと思った事もある。それなのに、目先の物事だけで自分を判断されて、コネシマは気分が悪くなった。
「 私は、ヘンゼルとグレーテルが大嫌いなの。両親だって、子供を捨てたくて捨てた訳じゃないのに、酷い親扱いされるでしょ？貧困に困って、子供達に食べさせるパンもない様な家に子供を置かせて居ても、子供は幸せじゃない。だから、遠い所に逃がしたのに、毒親みたいに言われて可哀想。結局、意地悪な母親は死んで、優しい父親とヘンゼルとグレーテルは暮らしたの。魔女を殺した後。 」
「 ……何が、あったん？ 」
コネシマは嫌な予感がして、先程迄の怒りが何処かに消えていた。コネシマの問に、Aも憑き物が取れたみたいに人の表情を取り戻す。ふたりの視線が交わった時、ポロポロと泣いているAと戸惑いの隠せないコネシマがいた。
「 何か、あったん？誰かに酷い事でも、言われたん？俺で良ければ、話聞くけど。 」
コネシマは少しづつ、Aに近付いた。まるで、怯える獣を宥める様に、コネシマは優しい声音でAの事を落ち着かせる。腰の力が抜けたのか、Aはストンと床に座った。そして、ぽつりぽつりと話始める。
「 子供を、殺したの。 」
それは、コネシマにとって、理解の出来ない言葉だった。言葉を失うコネシマに、ブレーキの効かなくなったAは、更に話し続ける。
「 妊娠してた。気付かなくて。気付いた頃には、中絶が出来なくなってた。特別養子縁組を、子供に組ませようってなったの。これ、どんな意味か分かる？ 」
「 捨てるって事？ 」
「 そうだよ、捨てるの。自分達で勝手に作った命を、勝手に捨てるの。育てられないから、捨てるの。馬鹿みたいでしょ？変でしょ？高校生なのに、これから大事な時期なのに、妊娠して、母親になるなんて無理。出来ない。お金が無いと、子供は育てられない。 」
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紗枝(プロフ) - Sさん» こんばんわ。コメント有難う御座います！此方こそ、応援して下さり、とても嬉しいです☺ 最近、ひとつひとつの作品に掛ける時間が長くなり、更新頻度は絶望的になりましたが、頑張って更新したいと思います。これからも宜しくお願い致します🤝 (7月20日 2時) (
レス) id: ed8861063f (このIDを非表示/違反報告)
S - 続編ありがとうございます🙇♀️これからも応援してます (7月19日 7時) (レス) id: 3cdb4a4830 (このIDを非表示/違反報告)
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