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「 でも、それは捨てただけで、殺した訳じゃないやん。それに、捨てたって言うたけど、そうするしかなかっただけやし。世の中には、色んな人が居るんやから、子供が幸せになれば、ええんちゃうの？それが、親の願いなんちゃうの？ 」
コネシマなりのフォローのつもりだったが、Aには微塵も刺さっていなかった。すっかり憔悴しているAは、ひとりの少女の顔をしている。コネシマはふと、考えたのだ。Aが母親の顔をした瞬間等、無かったのではないかと。
「 予定より、早くに陣痛が来て、お風呂場で産んだ。泣いてるから、煩くて、口を塞いだの。本当は、産んだ後に病院に連絡するつもりだった。だけど、凄く辛くて、出来なかった。ずっと、泣いてるの。だから、煩くなって、静かにしてって、口を塞いだの。それだけ。塞いだだけ。殺すつもりなんてなかった。煩かったから、静かにして欲しかっただけなの。暫くして、手を離したら死んでた。冷たくなってた。だから、私は殺したの。自分で産んだ子を、この手で。 」
「 警察は？ 」
「 事故死で片付けられた。分からないけど、運が良いみたいで。私は、捕まってない。もしかしたら、これから逮捕されるかもしれないけど。でも、逮捕されたらされたで、3食ご飯は出るし、寝る場所もあるし、ある程度、充実してるだろうから、別に良いや。捕まる方が幸せかも。 」
コネシマは、随分と前に自身の母親に言われた言葉を思い出した。
コネシマの母親は結構な頻度でヒステリックになる人で、コネシマは母親のヒステリックを適当に交わしていた。そんなコネシマに、母親は言うのだ。" 別に、欲しかった訳じゃないのに "
そう、コネシマは母親に望まれて生まれた訳ではない。もしかしたら、コネシマの母親もコネシマが生まれた時、泣いているコネシマを見て、煩いと思ったかもしれない。口を手で塞ぎそうになった瞬間が、あったかもしれない。もし、運が悪かったら、コネシマは母親に殺されていたかもしれない。
脳味噌に酸素が足りていないのか、コネシマは怒りで震えていたのか、自分がどんな風に豹変したかも忘れ、Aの口に手を当てた。煩いのだ。煩いから、口を塞いだのだ。ほら、こうやって、自分の子供にもやったんだろう。どうだ。どんな気分だ。お前はただの、人殺しだ。
暫くして手を離すと、Aは死んでいた。冷たくなっていた。
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紗枝(プロフ) - Sさん» こんばんわ。コメント有難う御座います！此方こそ、応援して下さり、とても嬉しいです☺ 最近、ひとつひとつの作品に掛ける時間が長くなり、更新頻度は絶望的になりましたが、頑張って更新したいと思います。これからも宜しくお願い致します🤝 (7月20日 2時) (
レス) id: ed8861063f (このIDを非表示/違反報告)
S - 続編ありがとうございます🙇♀️これからも応援してます (7月19日 7時) (レス) id: 3cdb4a4830 (このIDを非表示/違反報告)
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