✍ おそかった ページ35
▶
〔 おそかった ⇨ ゾム 〕
▶
〈 じかん 〉の続編です🌀
▶
「 麻花( おばな )Aです。ゾムさんとは、1年前に仕事の関係で、生活の支援をさせて頂いていました。結婚してから仕事を辞めて以来、ゾムさんとは連絡も取り合っていません。勿論、お会いもしていませんでした。 」
「 私達は、麻花さんを疑ってお呼びした訳ではないんです。ゾムさんのお部屋から遺書が見付かっていますし、怪しい点はないので、自 殺として捜査が片付けられました。 」
「 では、どうして私は警察署に呼ばれたんですか？ 」
「 お渡ししたい物が御座いまして、お呼びさせて頂きました。ゾムさんの遺書の他に、麻花さん宛のお手紙がありました。警察が目を通させて頂いた事は、捜査のひとつですのでお許し下さい。 」
「 これは、私が戴いても宜しいのですか？ 」
「 勿論です。麻花さん宛のお手紙なので。お家に持って帰って頂いて構いません。 」
「 持ち帰ると、旦那に叱れるので、此処で読んでも良いですか？それと、読み終わった後に処分して頂きたいのですが、出来ますか？ 」
「 申し訳御座いませんが、此方で処分する事は出来ません。ご自身でお願い致します。席を外しますので、帰る際に一言、受付にお願い致します。本日は、有難う御座いました。お先に失礼させて頂きます。 」
「 ……有難う御座いました。 」
緑色の優しい封筒を撫でると、ゾムさんと過ごした時間が蘇って来る様な気がして、愛おしく思った。結婚をしてから、ゾムさんとは一切、連絡も取り合わず、接触をする事も避けて来た。本当はゾムさんの事が心配で堪らず、記憶の中にある電話番号に指先が動きそうな時もあったが、グッと堪え我慢して来たのだ。昔の様に自由に暮らす事が許されなくなった自分の運命なのだがら、飲み込むしかないと割り切っていた。
だが、警察署から電話が掛かって来た時、旦那が交通事故にでも巻き込まれたのだと思って、特別焦った訳ではなかった。いざ、電話に出てみるとゾムさんの名前を久し振りに聞いて、私は懐かしさのあまり嬉しくなってしまったが、警察署からの連絡と言う事は、只事では無いだろう。詳しい話を聞いてみたら、ゾムさんが自宅で亡くなり、私が警察署に来て欲しいと言う。
▶
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 19人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紗枝(プロフ) - Sさん» こんばんわ。コメント有難う御座います！此方こそ、応援して下さり、とても嬉しいです☺ 最近、ひとつひとつの作品に掛ける時間が長くなり、更新頻度は絶望的になりましたが、頑張って更新したいと思います。これからも宜しくお願い致します🤝 (7月20日 2時) (
レス) id: ed8861063f (このIDを非表示/違反報告)
S - 続編ありがとうございます🙇♀️これからも応援してます (7月19日 7時) (レス) id: 3cdb4a4830 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
