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私が何処に行くのか尋ねても、彼は教えてくれないから、最初から聞かない。でも、変わっていく景色を見ていると、どんどんと見慣れた景色に変わって来たので、彼の家に向かっていると予測。
家に行って、サンタマリアアクアマリンの処分をするのは、きっと私なんだろうな。私が説明した所で、彼は動かないだろうし。始めたのも、終わらせるのも、全部私。何時も、私。
「 ……最後に掃除したの何時？ 」
「 知らん。 」
彼の家に着くと、男のひとり暮らしと言った家になっていて、うんざりした。多分、私が掃除して帰るだろうな。それなら、彼の家に足りていない日用品も買ってくれば良かった。
「 何処に飾ってるの？サンタマリアアクアマリン。 」
彼が指差したのは、彼の撮影部屋。勝手に入っても怒られないから、勝手に入った。確かに輝くサンタマリアアクアマリン。私の家にも、同じ物がある。愛し合っていた記憶が薄まる位、離れていた。でも、思い出す。彼との楽しかった記憶。
「 変わってないね、何も。 」
私が居ないと、生きていけない所。部屋の掃除はしないし、撮影部屋にお気に入りの物を飾る癖。雑な連絡。私に合わせる気のないスピード。俺に着いて来いと言わんばかりの、背中。何も変わってない。私達、別れてから何も変わっていない。
「 捨てて良いんでしょ？ 」
掃除以外の目的で、この家にやって来ていない。あなたは私が居ないと生きていけないかもしれないけど、私はそんな事がないと思わせる為にやって来た。サンタマリアアクアマリンの煌めきを手の中に収める様に、私はサンタマリアアクアマリンを握ると、彼が後ろから「 おい 」と言う。
「 何？ 」
「 捨てるなよ。 」
「 捨て方が分からないんじゃないの？ 」
「 分からんよ。 」
「 私が捨てるけど。 」
「 そうじゃないわ。教えてって言うてんねん。どうやって捨てるのか。 」
「 教えた所で、出来ないでしょ？私がやった方が早いけど。 」
「 そうじゃないって。お前、まずは人の家に来たんやから座れや。 」
何を言っているか、サッパリ分からない。でも、彼の不器用な所は私が1番、理解している。
サンタマリアアクアマリンを手放すと、撮影部屋を出て、リビングのソファーに座った。私と話がしたかっただけなのだろう。口実に、サンタマリアアクアマリンを使っただけ。
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紗枝(プロフ) - Sさん» こんばんわ。コメント有難う御座います！此方こそ、応援して下さり、とても嬉しいです☺ 最近、ひとつひとつの作品に掛ける時間が長くなり、更新頻度は絶望的になりましたが、頑張って更新したいと思います。これからも宜しくお願い致します🤝 (7月20日 2時) (
レス) id: ed8861063f (このIDを非表示/違反報告)
S - 続編ありがとうございます🙇♀️これからも応援してます (7月19日 7時) (レス) id: 3cdb4a4830 (このIDを非表示/違反報告)
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