✍ わるいひと ページ47
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〔 わるいひと ⇨ ロボロ 〕
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「 貴女じゃなくて良かった。 」
これは、母に言われた呪いの様な言葉。当時、7歳だった私は母の言葉の意味も知らず、怖い大人に毎日色んな事を聞かれる日々に疲れ、学校を転校した理由も分からなかった。だけど、母親になったから分かる。
「 貴女じゃなくて良かった。 」
これは、母が私を愛していたから咄嗟に出て来た、安堵の言葉。
彼との共通点は、犬好きである事。私は実家でトイ・プードルとチワワを飼った経験があり、社会人になってひとり暮らしを初めてからも、柴犬・タツキと暮らして来た。彼は近所でミニチュア・ダックスフンドと暮らしていて、散歩の途中に良く会い、話す様になったのが出会いのきっかけ。
彼の仕事は警察犬の訓練士で、真面目で好青年な姿は、若かった私にとても響いた。そこから、交際を初め、結婚を決意し、ひとり娘・知春( ちはる )にも恵まれた頃、私達の関係はあっさりと終わる。
「 やっぱり、若い女が好きなのね。 」
良い歳した大人が、泣き喚く姿は、幾ら愛した事のある人でも、見るに耐えなかった。彼を捨て、私と知春とタツキは関西に引っ越す事にした。母子家庭なんて珍しい訳ではない。そんな風に意地を張っていたから、こんな事になってしまったのかもしれない。
「 本当にすいませんでした。 」
あの時の私と、同じ目をした知春は私の腕の中で、確かに呼吸をしている。怯えている訳でも、泣いている訳でもない。自分の身に何が起きているか分からず、困惑しているのだ。
「 有難う御座います。知春を助けてくれて。 」
「 いや、偶々です。お怪我が無いか、1度、病院に行ってみた方が良いかもしれません。 」
小柄な男性は、一礼をすると早々に去って行ってしまった。
「 何もされてない？怖い事は？痛い事は？知春、何もされてないの？ 」
今思うと、幼い我が子に怖い顔をして問い詰めるのは、更に知春が心を閉ざしてしまう可能性があった。でも、少し目を離した隙に愛娘が誘拐されそうになり、それを見知らぬ男性に助けて貰う等と言った経験は、私の人生で一度も無い。
幸い、近所の病院で診察して貰ったが、知春の身体に何も異常は見付からなかった。
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紗枝(プロフ) - Sさん» こんばんわ。コメント有難う御座います！此方こそ、応援して下さり、とても嬉しいです☺ 最近、ひとつひとつの作品に掛ける時間が長くなり、更新頻度は絶望的になりましたが、頑張って更新したいと思います。これからも宜しくお願い致します🤝 (7月20日 2時) (
レス) id: ed8861063f (このIDを非表示/違反報告)
S - 続編ありがとうございます🙇♀️これからも応援してます (7月19日 7時) (レス) id: 3cdb4a4830 (このIDを非表示/違反報告)
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