¦ ページ49
▶
「 僕の方が悪いです。お嬢さんと勝手に遊ぶなんて、お母様からしたら気分が悪いと思います。すいません。 」
良い？男の人は、怖いのよ。小さな女の子を狙う、わるいひとも居るからね。Aちゃんは、先生と約束出来る？知らない人に着いて行かない事。暗い時間迄遊ばない事。お父さんやお母さんに、何処で誰と何時迄遊ぶのか、しっかり伝える事。お父さんやお母さんが心配する事は、絶対にしない事。大人の人に助けを求められた時は、他の大人の人を呼ぶ事。守れますか？Aちゃん。
「 ……いえ、有難う御座いました。失礼します。 」
知春の手を引いて、影が伸びる帰路に着いた。知春が1度、彼に向かって手を振ったのが、影の動きから分かる。恐らく、彼は手を振り返してくれたのだろう。その日、知春はとてもご機嫌だった。
「 知春？ 」
インターホンが鳴り、玄関の扉を開けるとびしょびしょになった知春と彼の姿があった。
「 雨が降って来て。知春ちゃん、傘が無いみたいなので。すいません。 」
確かに、強い雨が突然降って来て、公園迄知春の事を迎えに行こうと思っていた所だ。
「 態々、すいません。入って下さい。 」
「 いえ、僕は帰ります。すいません、突然。 」
「 入って下さい。傘は？ 」
彼の無言が答えだ。
「 無いんでしょう？入って下さい。風邪、引きますよ。知春、お風呂行って。そのままで良いから。 」
知春を風呂場に連れて行き、シャワーを浴びる様に指示をした。玄関先でずぶ濡れになっている彼に、バスタオルを渡す。彼はバスタオルを受け取っても、使う事に抵抗を感じているのか身動きひとつ取らなかったので、私が彼の頭を拭いた。
「 これ、着て下さい。私の物で申し訳無いんですけど、サイズも合うと思うから。 」
「 着れません。帰ります。 」
「 帰らないで下さい。知春が悲しみます。" お母さん、お兄さんを虐めないで "って言われたんです。虐めてるつもりなんてありません。知春の事を守っているつもりなのに、知春にはそう見えていないんです。知春に呪いを掛けたくないから、帰らないで下さい。知春にちゃんと、私が貴方を虐めていない事を見て貰わないと困るんです。 」
彼は、私の服を受け取った。背丈が変わらないので、私の服でも着れると思ったのだ。
▶
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 19人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紗枝(プロフ) - Sさん» こんばんわ。コメント有難う御座います！此方こそ、応援して下さり、とても嬉しいです☺ 最近、ひとつひとつの作品に掛ける時間が長くなり、更新頻度は絶望的になりましたが、頑張って更新したいと思います。これからも宜しくお願い致します🤝 (7月20日 2時) (
レス) id: ed8861063f (このIDを非表示/違反報告)
S - 続編ありがとうございます🙇♀️これからも応援してます (7月19日 7時) (レス) id: 3cdb4a4830 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
