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歩きながら、自分がロボロ先輩の前だと上手く立ち回り出来ない事や、困らせてしまう事を後悔して、合わせる顔がないと確信する。この歳になって、もう同じ過ちは繰り返したくないから、必死になってしまった事を反省した。
電車の中で、良い歳した会社員が大号泣している姿を、私の知り合いに見られていない事を願う。ロボロ先輩にキスをしてしまってから、私はロボロ先輩が生きているかもしれない場所に行く事を選ぶのは止め、避けて暮らす様になった。
勿論、ロボロ先輩が働いている銀行にも成る可く行きたくないし、事件の起きた居酒屋だって、アレルギーが出るかもしれない。多忙な日々を、再度繰り返す様になり、馬車馬の如く働いていると、聞き慣れた声に呼び止められ、飛び上がった。
「 A。 」
どうして、平気そうな顔で居られるの？私は、貴方のただの後輩な筈なのに、調子に乗って恋心が隠せずキスをして、酔いの所為にして逃げた女なのに。
私がロボロ先輩を無視して歩き出すと、ロボロ先輩は追い掛けて私の腕を掴んだ。そんな事をされてしまうと、私はやっぱり、ロボロ先輩しか見れなくなる。
まず、最初に私が何を言うべきなのか。それはやはり、謝罪である事は確かだ。だが、口から上手く滑らない謝罪の言葉に、自分が大人としての品格も失った気がして、悔しくなった。本当は、好きだと言いたい。だけど……
「 こんなに、飲んでないから。 」
ロボロ先輩が鞄から財布を取り出し、1万円札を私に押し付けた。呆然としている私に、ロボロ先輩は続ける。
「 1万円は出し過ぎやろ。返したかってん。 」
「 受け取って下さいよ…… 」
「 そんなん出来んよ。俺の性に合わん。 」
「 それだけですか？ 」
「 まだ、返してないのあったっけ？ 」
「 それだけですが？私、キスしたのに。それは…… 」
ロボロ先輩は、何食わぬ顔のまま私を見る。これが、本当の大人の余裕？酔っ払いにキスをされるのは、慣れている？
「 酔ってたんやろ？ 」
そう。酔ってただけ。少しでも貴方に、後輩以外の存在として認識して欲しかっただけ。複雑な表情をする私に気付いたのか、ロボロ先輩は窘める様に微笑んだ。
「 本当は、それ以外に意図があったり？ 」
見抜かれている事を知った私は、突然恥ずかしくなって顔を真っ赤にさせた。
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紗枝(プロフ) - Sさん» こんばんわ。コメント有難う御座います！此方こそ、応援して下さり、とても嬉しいです☺ 最近、ひとつひとつの作品に掛ける時間が長くなり、更新頻度は絶望的になりましたが、頑張って更新したいと思います。これからも宜しくお願い致します🤝 (7月20日 2時) (
レス) id: ed8861063f (このIDを非表示/違反報告)
S - 続編ありがとうございます🙇♀️これからも応援してます (7月19日 7時) (レス) id: 3cdb4a4830 (このIDを非表示/違反報告)
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