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自分から勝負に出るのは怖くないのに、ロボロ先輩の出した勝負には、心臓が爆発しそうになる。自分を必死に奮い立たせていると、ロボロ先輩は笑った。
「 ごめん、意地悪した。 」
確かに目が合い、ロボロ先輩は私の腕を掴み体を引き寄せる。また、甘い柔軟剤の香りがして、鼻が喜んだ。高校時代、大好きだった人が、目の前に居て、私の事を見詰めている。当時、上手くいかなかった恋でも、今なら……
「 私、ロボロ先輩の事…… 」
「 やっぱり、俺から言わせて。あの時はごめん。 」
想定していなかった言葉が頭上に降って来た。あの時？ごめん？何時の話？ちんぷんかんぷんになっている私に、ロボロ先輩は真剣な表情のまま話続ける。
「 気付いてた。Aが俺の事、好きなの。でも、俺は後輩としか見ていなかったし、福冨の事が好きやったから、気付かない振りをしてた。髪、切ったやろ。卒業式の日に。その時に、ショックを受けてるAの顔を見て、凄く申し訳なくなった。俺の長い髪、好きでいてくれたの知ってたからさ。申し訳なくて、罪悪感で一杯になって、大学入ってからも福冨と付き合ってたけど、心の何処かにAが居た。これはほんま。でも、Aは大学入ってから地元出て、連絡先も知らんかったから連絡手段もないし、俺も福冨と付き合ってたから下手な事をするのは控えてたんやけど、この間、再会して分かった。謝りたかった。俺、髪、切ってごめんって。 」
ロボロ先輩の真っ直ぐな瞳に、私がしっかりと写っている事が感激だ。そして、ロボロ先輩の心の片隅にでも、私がいた事が嬉しかった。
「 もう、若くは無いから髪は伸ばせへんけど、どうかな？Aに髪を結んで貰う事はなくなったけど、俺の事、男として見てくれる？ 」
遠回しだけど、核心を突く様な言葉。私は何度も首が取れそうになるのではないかと言う位、頷きロボロ先輩に笑われた。
「 ロボロ先輩、好きです。昔からずっと、私はロボロ先輩の物です。 」
「 俺も、Aの事が好き。やから、付き合ってくれる？ 」
ポロポロと泣き出す私に、ロボロ先輩は目を丸くした。そして、頭をポンポンと撫でてくれる。高校時代の私に言ってあげたい。その恋心、捨てなくて良いんだよと。
「 どんなロボロ先輩も、大好きです。 」
キラキラのネオン街の色が、少しだけ違って見える様になった。
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紗枝(プロフ) - Sさん» こんばんわ。コメント有難う御座います！此方こそ、応援して下さり、とても嬉しいです☺ 最近、ひとつひとつの作品に掛ける時間が長くなり、更新頻度は絶望的になりましたが、頑張って更新したいと思います。これからも宜しくお願い致します🤝 (7月20日 2時) (
レス) id: ed8861063f (このIDを非表示/違反報告)
S - 続編ありがとうございます🙇♀️これからも応援してます (7月19日 7時) (レス) id: 3cdb4a4830 (このIDを非表示/違反報告)
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