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「うまいやろ」
「おいしいです……。これ豚骨ですか？」
「人骨やで」
コネシマさんではなく、ゾムさんが返事をした。それも最悪の事実を告げる。静かな店内に私の箸を落とした音だけが響いた。こめかみを伝う汗の感覚がやけに生々しい。胃の中を満たす麺とスープが、途端に泥濘のような重苦しい何かに思える。だんだんと鮮明になっていく吐き気を必死に飲み込もうとするが、なかなか上手くいかない。
それに、両隣の二人がかなり殺気だっていてさらに食欲が失せていく。
「お前耳ついてへんのか？ 俺の注文繰り返してみろ」
「逆になんで気づけへんのやろ〜と思ってたんやけど」
火花が散ったかと錯覚するほどに険悪な雰囲気の中で、トントンさんが静かに箸を置いた。
「もうええわ。シッマ帰るで」
「いや、俺はまだ納得できへんわ」
「ここで口喧嘩してもしょうもないやろ。ゾム、金は払わへんでええな」
「好きにしたらいいんちゃう」
ゾムさんは、この緊迫した空気の中で一人ニヤニヤと笑いながら答えた。まだ憤りを隠せない様子のコネシマさんを引きずってトントンさんは店を出る。
私が引き戸を閉める間際、ゾムさんが「またのお越しを〜」と底意地の悪そうな声で言っているのが聞こえた。
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田中(プロフ) - 前々から気になっており、やっと今日読みました。素敵すぎました (10月19日 4時) (
レス) @page32 id: d6054e066b (このIDを非表示/違反報告)
凄惨ペロ(プロフ) - miiさん» コメントありがとうございます！拙作へのお褒めの言葉、とても嬉しいです。名残惜しいと言って頂けて、書いた甲斐があったと思えました。本当にありがとうござました。 (6月15日 20時) (レス) id: 7f89f8c794 (このIDを非表示/違反報告)
凄惨ペロ(プロフ) - 桜華さん» コメントありがとうございます。こうして無事に完結できたのは評価やお気に入りをしてくださった皆さんのおかげです。楽しんで貰えたならそれ以上に喜ばしいことはありません。本当にありがとうございました！ (6月15日 20時) (レス) id: 7f89f8c794 (このIDを非表示/違反報告)
mii(プロフ) - コメント失礼します。完結おめでとうございます！関連作ランキングから見始めたのですが、タイトルから滲み出る不穏さと、リアルでありながら綺麗に可愛らしく描かれた心情が、とても好きでした。名残惜しいですが、素敵なお話をありがとうございました。 (6月12日 3時) (レス) @page31 id: 2d3cfb07c5 (このIDを非表示/違反報告)
桜華(プロフ) - コメント失礼いたします！完結おめでとうございます。かわいいお名前に惹かれて読みに来たら、まさかのお肉屋さんでびっくりです！！しかし、多彩な文書によって最後までとても楽しく閲覧させていただきました。素敵な物語をありがとうございます！！ (6月11日 23時) (レス) @page31 id: 1bda5ccdb4 (このIDを非表示/違反報告)
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