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大先輩の力量 ページ10

(半年前)

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___

今、私は人生最大のピンチに陥っている
電話越しで、後輩が泣いている...
そして、なんといっても、内容が
恋愛相談だなんて!
難題すぎる!!!


なにやら、好きな男子が
今日、彼女を連れてきたらしい...

知るかっ!
こいつになら、いつもそう言うが
なんせ、思った以上に弱ってる...

ていうか、私じゃなくて、もっと沙織とかの方が
適任なんじゃないの?

まったく..

しばらく、沈黙があって、Aが言う。

A:たけさん...

竹下:....

A:思ってたより、衝撃的で
気づいたら、涙が出てた
我儘だけど、ずっとそばに居れると思ってたんです...

竹下:でも、その選択をしなかったのは、宮でしょ?

A:そうです...
それでも、失恋したと分かったら、辛いんです

竹下:よわよわしいな...

A:すみません...
竹さんにしか、言えなくて

竹下:はぁ...
A、分かってると思うけど、私に相談してきたって
良い解決方法も提示できないし、共感してあげれない。


A:はい...


この子には頑張っていて欲しい




Aが選手を辞めると決めた時、ショックでしかたなかった
これからの時代は、Aが背負ってくれると、
女子をメダルまで導いてくれると、
勝手に信じて、疑わなかった。
自分がこんな風に思うのも、初めてで、
あの時は、もう。



竹下:でもね、A。

付き合うだけが、カタチじゃない。

好きだから、付き合うわけじゃない。
違うカタチで、そばに居ることはできる。

友達、仲間、師弟、どれにも、愛はあると思うよ。




今の気持ちを、受け止め切ってからでいい
だから、前を向いていけ。
立ち止まってる暇はないでしょ?

A:...はい!

竹下:それが、師匠から言える唯一のことです!

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作者名:Lily | 作成日時:2023年11月28日 19時

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